eTime 備忘録   
電源ノイズ(baseband noise)比較評価してみるの

オシロ上では波形が一見きれいでも、実は様々なゆらぎ・雑音が重畳していると考えるべき


発振器の瞬時波形電圧↑  John Vig Toutorialより

 信号SN比を悪化させる雑音の由来は、実際の処、電源・GNDのCommon Lineに在る場合が多い。
以下、baseband測定という手段を用いて、各種電圧源の質を比較してみる
 



手近に在る電源のbaseband noiseを測定してみた      basebandの測定方法については、前述のHP 3048A測定編をご参照 

 
1) ACアダプタ +5.6V
 DoCoMo携帯電話用
 特徴的なノイズ繁盛


2)  NotePC USB +5V
ThinkPad X31 ふっ古い 
近傍雑音源多く...


3) COCEL Sw電源 +24V
昔、Z3805Aで使ってた
 思ったよりは全然良い


4) HP 6612C +5V
 システム電源
 Digital搭載なので...


 5) 菊水 PAB32-2 +5V
 CVCCシリーズ電源
 Pure Analogは良い


7) アルカリ電池 +3V
100円shopで購入
無敵、電池はすごい 



電源の質としては、自らのノイズ発生源を持たない電池が無敵。 後でも報告するが、ほぼFloor Noiseと同等のレベルで、音楽を聴くには電池は最適な電源と云える。
電池は別格として、電源として優秀なのはアナログシリーズ電源のKIKUSUI 32-2  50Hzの電源ハムの高調波ノイズが少し目立つが低Offset Fでの低ノイズはすばらしい。
一方、ノイズが大きい電圧源ろしては、PC内蔵のUSB +5V と 携帯電話充電用のACアダプタが双璧で甲乙付け難いのであるが....

上述のKIKUSUI PAB 32-2とACアダプタ DoCoMo SH002のノイズ計測をHP 3048AからHP4195A スペアナに替えての確認測定してみた。 
(K23もどきDC Block Filter経由で)
hp 4195A仕様の都合から、10Hz→1MHz間で測定。 グラフ上限は10m
V/√Hz 下限は1nV/√Hz 

    1uV/√Hz at 10Hz    → 0.3uV/√Hz at 300Hz   → 60nV/√Hz at 100kHz                  2uV/√Hz at 10Hz    → 6mV/√Hz at 300Hz   → 200nV/√Hz at 100kHz   

計測単位がdBc/Hz →   V/√Hz と異なるが、雑音特性の様子は同じ。              

電源の次は3端子Regulator LDO諸君の出番


3端子LDOはWhite Noise源であるBandgap Gap電圧を基にしているので、どれも大差はないだろうと予測していたが、SII製のCMOS LDOが期待外に良好な結果であった。
電圧可変のLM317Tは5V固定LDOとは異なるが、同じ土俵で比較してみた。 5V固定LDOに比較して、全般に10dBc程度悪い。

LDOのデカップリングコンデンサのノイズ低減効果  LM317T +12V出力側コンデンサCpを変えてのノイズ低減効果の測定結果↓  5V固定LDOでも同様であった。

出力側デカップリングコンデンサの容量を増やすことで、雑音低減の効果はグラフの通りであるが、容量負荷に依る発振の危険も在るので要注意。 効果に限度有りですね。

電源の低Noise化の限界はどこか?  Noise Floor Level  vs  +9Vアルカリ電池  vs  Ripple Filter経由の+12V Clean出力

 基準発振器評価用に作った誤差増幅形のC5198 Ripple Filter電源回路  
  評価での
+16V入力はPAB32-2から供給 
  
 


入力をGNDに落としたNoise Floorアルカリ電池+9Vの結果はほぼ同等。上記のRipple Filterクリーン出力+12Vも、かなり良好であるが電池には一歩及ばない。
また、3048A自体に内在する電源50Hzの高調波HamノイズスペクトルがどうしてもNoise Floorに残ってしまうことを留意されたい。

水晶発振器
位相雑音への電源の質に依る影響度合いを比較計測してみる


 電源vsPhaseNoise影響度 比較評価用 10MHz発振器回路  


   hp 5334Bから取り出した基準10MHz用クリスタルを使用   10MHz専用Buffer Amp.はHP AN283-3記載回路を参考
                                           (AT板 基本波)  
試作評価回路     画像Clickで拡大

10MHz出力波形 出力Level:約13dBm
 

(LDO) レギュレータのノイズ - Analog Devices  AN-1120

         
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