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備忘録
電源ノイズ(baseband noise)を比較評価してみるの巻
オシロ上では波形が一見きれいでも、実は様々なゆらぎ・雑音が重畳していると考えるべき |
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●手近に在る電源のbaseband noiseを測定してみた basebandの測定方法については、前述のHP 3048A測定編をご参照
電源の質としては、自らのノイズ発生源を持たない電池が無敵。 後でも報告するが、ほぼFloor
Noiseと同等のレベルで、音楽を聴くには電池は最適な電源と云える。
電池は別格として、電源として優秀なのはアナログシリーズ電源のKIKUSUI 32-2 ← 50Hzの電源ハムの高調波ノイズが少し目立つが低Offset
Fでの低ノイズはすばらしい。
一方、ノイズが大きい電圧源ろしては、PC内蔵のUSB
+5V と 携帯電話充電用のACアダプタが双璧で甲乙付け難いのであるが....
上述のKIKUSUI PAB 32-2とACアダプタ DoCoMo
SH002のノイズ計測をHP 3048AからHP4195A スペアナに替えての確認測定↓をしてみた。 (K23もどきDC
Block Filter経由で)
hp
4195A仕様の都合から、10Hz→1MHz間で測定。 グラフ上限は10mV/√Hz 下限は1nV/√Hz
1uV/√Hz at
10Hz → 0.3uV/√Hz at
300Hz → 60nV/√Hz at
100kHz
2uV/√Hz at
10Hz → 6mV/√Hz at
300Hz → 200nV/√Hz at
100kHz
計測単位がdBc/Hz
→ V/√Hz と異なるが、雑音特性の様子は同じ。
●電源の次は3端子Regulator LDO諸君の出番
3端子LDOはWhite Noise源であるBandgap
Gap電圧を基にしているので、どれも大差はないだろうと予測していたが、SII製のCMOS
LDOが期待外に良好な結果であった。
電圧可変のLM317Tは5V固定LDOとは異なるが、同じ土俵で比較してみた。 5V固定LDOに比較して、全般に10dBc程度悪い。
●LDOのデカップリングコンデンサのノイズ低減効果 LM317T
+12V出力側コンデンサCpを変えてのノイズ低減効果の測定結果↓
5V固定LDOでも同様であった。
出力側デカップリングコンデンサの容量を増やすことで、雑音低減の効果はグラフの通りであるが、容量負荷に依る発振の危険も在るので要注意。 効果に限度有りですね。
●電源の低Noise化の限界はどこか? Noise
Floor Level vs +9Vアルカリ電池 vs
Ripple Filter経由の+12V Clean出力
基準発振器評価用に作った誤差増幅形のC5198 Ripple Filter電源回路 評価での+16V入力はPAB32-2から供給 ![]() |
![]() |
入力をGNDに落としたNoise
Floorとアルカリ電池+9Vの結果はほぼ同等。上記のRipple
Filterクリーン出力+12Vも、かなり良好であるが電池には一歩及ばない。
また、3048A自体に内在する電源50Hzの高調波HamノイズスペクトルがどうしてもNoise
Floorに残ってしまうことを留意されたい。
●水晶発振器位相雑音への電源の質に依る影響度合いを比較計測してみる
電源vsPhaseNoise影響度 比較評価用 10MHz発振器回路 ![]() hp 5334Bから取り出した基準10MHz用クリスタルを使用 10MHz専用Buffer Amp.はHP AN283-3記載回路を参考 (AT板 基本波) |
試作評価回路 ↓画像Clickで拡大![]() 10MHz出力波形 出力Level:約13dBm ![]() |
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