位相雑音(Phase
Noise)からAllan分散(Allan
Deviation)に変換計算する具体的手順例を以下に示してみる。
先ずは先々に出てくる数式の前提として、信号波の定義とPhaseNoiseのPower冪乗式を以下に定義して置く。 参考文献の都合から英文が多いのは、ご免戴きたい。
信号波の定義 PhaseNoiseのPower冪乗則

早速、こちらに評価Reviewしている周波数標準器 hp 105B
5MHzの位相雑音特性を具体例として取り上げてみる。
 具体的には↑の位相雑音特性に対し、下の○で囲んだ各傾斜の接線を引き,f=1Hzでの切片値を得ることで、
各β乗Power成分の係数bβを求めることが出来る。 至って単純な作業なのである(^^v

↑で求めた係数bβを基に表計算に入れ、近似された位相雑音特性L(f)が下のGraph, 特性Tableになる。破線が各β乗Power成分の特性である。

近似位相雑音特性L(f)は、各β乗Power成分の総和を上式で算出する。 offset
f毎に各Power成分がどんな按配で占めているのかに留意されたし
下表↓( Time Interval Analyzer hp 5372A Application Note AN
358-12 からの抜粋)を参考に、

上表の関係に従い、Allan分散値を下式の様に展開して求めることができる。 平均時間τ冪乗数と係数bβとの関係に注目されたい。 
上式に至る理論的背景は、こちらをご参考頂くものとし、上式に従い計算すると.下↓の短期周波数安定度(Allan
Deviation)特性結果が得られる。
尚、ここでは測定帯域上限fhを100kHz ↓ として計算している。 ついでにTotal RMS Jitterも計算しており、0.213psecの結果となっている。
上表↑は長期安定度の計算結果である。あくまでもτを任意の値に設定しての机上計算であるが...
数理統計上、±3σy(τ=1年)の計算結果はAging
Rate≒ 経年f変化量の推定値と見なせる。 この計算結果は、±5.5E-9/Year
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左のσy実測特性は、Allan分散入門#1での特性を紹介しているOCXO110をREF信号として
hp
105Bを評価測定した結果である。
OCXO110は105Bより数段優れた安定度の信号であるので、左のσy実測特性は
ほぼhp
105Bのσy安定度を示すものと思って
頂いて良い。ここでは、共に2逓倍した10MHz
評価している。
上記の計算結果と比較して如何でしょうか?
若干差異は有るも、特性傾向は一致している
2019年7月に壊れたOCXO110が最近治った
ので、5MHzでの再測定を行い、近々報告したいと考えている。
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←左は
各Power Noise成分がAllan偏差σyに対し、
どの程度、どんな具合に寄与しているかの詳細を
見えるように現した特性グラフである。
τ ≦
0.1secの短期時間領域では
White
Φ Floor Noiseが
τ ≧
10secの時間領域では
Random Walk
Fが
Allan Deviation σy値を支配決定している
ことに留意して頂きたい。
経年変化を決定付けるのは、
Random Walk成分のみなんですね!
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